少子高齢化の現状
内閣府の発表によると、平成30年(2018年)には、我が国全体の65歳以上人口は28.1%となり、すでに4人に1人以上が高齢者と呼ばれる状況になっている。
また、15~64歳人口は、平成7年(1995年)に8,716万人でピークを迎え、その後減少に転じ、平成30年(2018年)には7,545万人と、総人口の59.7%となった。
次に、平成29(2017)年4月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」における出生中位・死亡中位推計結果(以下、本節においてはすべてこの仮定に基づく推計結果)を見てみよう。将来推計人口とは、全国の将来の出生、死亡及び国際人口移動について仮定を設け、これらに基づいて我が国の将来の人口規模並びに年齢構成等の人口構造の推移について推計したものである。
2065年、日本の総人口は9,000万人を割る
現在、日本は長期の人口減少過程に入っており、令和11(2029)年に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続け、令和35(2053)年には1億人を割って9,924万人となり、令和47(2065)年には8,808万人になると推計されている。
2065年、65歳以上は2.6人に一人、75歳以上は3.9人に一人
65歳以上人口は2042年をピークに減少に転じるも、高齢化率は上昇を続け、2065年には38.4%に達すると推計されている。
地域別に見た高齢化
平成30年(2018年)現在の高齢化率は、最も高い秋田県で36.4%、最も低い沖縄県で21.6%となっている。今後、高齢化率は、すべての都道府県で上昇し、令和27年(2045年)には、最も高い秋田県で50.1%、最も低い東京都で30.7%に達すると見込まれている。
高齢化率については、平均すると関東よりも北の地域が高い傾向にあり、どの地域も40%を超えることが予想される。関東以北に住む地域の若者の方が上京をしやすい環境にあるためか、関東以南よりも1.3倍ほど高い水準であり、若者離れ解決の手がかりになる可能性がある。
また人口規模別に見ると、5万人未満の都市の高齢化率は、2020年をピークに減少に転じている。逆に最も高いのは、大都市を除いた人口30万人以上の都市で、年間3%以上の割合で近年は上昇の一途を辿っている。
一方で、後継者マッチング(やる気のある若者と後継者がいない事業主のマッチング)や、移住補助(補助金の活用や所得制限なし)の政策を積極的に行っている地域では、徐々にではあるが人口は増加傾向にある。
ちなみに兵庫県明石市では9年連続人口が増加し、人気を博している。
明石市の人気…
中核市人口増加率1位(※)、「全国戻りたい街ランキング2021」1位(ウェイブダッシュ調べ)、「SUUMO住みたい街ランキング2022 住みたい自治体ランキング<関西版>」6位(リクルート調べ)
市長の泉房穂氏が取り組んでいる施策はシンプルで、子供に優しいまちづくりだ。
とくに子育て支援については、所得制限なしで「医療費・給食費・保育料・公共施設・おむつ」という5つの無料化を独自に実施しているところが大きい。
これは特にフランスなどの欧州、韓国などのモデルを参考にしているところが大きいそうである。
今後は明石市のモデルを踏襲して、各地方自治体含め国家全体も人口増加を促し、少子高齢化の歯止めになることを期待したい。
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